街なかのライトコートハウス

街なかのライトコートハウス

分類:新築住宅
延床:38.78坪(住宅)、7.2坪(インナーガレージ)

住まいの根本に求められたものは『独創的なスタイルの提案』でした。ありがちではないものを求められながらも、合理的な理由と根拠が必須な事は勿論、効率の良い動線や家族がつながるくつろぎ空間も同時に求められていました。敷地は48.5坪と狭く、3方の建物が敷地境界ギリギリまで迫っているといった街なかの厳しい条件でした。

二階リビングのプランに至るまでに、1階リビング他、いくつもの構成のシミュレーションとを行い、それぞれに対してプランを検証してメリットデメリットを考察しました。そのプロセスを経て、この敷地環境での二階リビングの有効性をご納得頂きました。
合わせて、スキップフロアーで各階の距離を縮める事により、生活の動きがスムーズになっています。また、各フロアのテイストを変え、日常シーン毎に異なる雰囲気を楽しめるようになっています。
外観は、要塞のように見えるガレージの印象を避け、敢えて1台分をオープンにし、その先にライトコートを設けました。爽やかな緑に引き込まれるようにアプローチし、全ての部屋からライトコートの自然を目にすることができます。街なかに住みながらも、人目を気にする事なく自然と空を独り占めする贅沢な住まいです。ライトコート介して各フロアの様子が眺められ、独創的な関係性が生まれています。どこにいても家族の様子が感じられる、家族がつながり楽しい時間が生まれる、そんな住まいです。

当初住まい手はハウスメーカーなど4社から図面を提案して貰いながらも、どのプランも決め手がなく困られていました。当事務所で手掛けた、本物の木を使った木組みの美しさと吹き抜け空間の力強さを見て、このような住まいのかたちが良いと決心頂きご依頼下さいました。設計事務所の自由な発想力、提案力の信頼、構造の理解度の安心さ、も決め手だったとのお話でした。

令和3年度 第52回富山県建築文化賞 住宅部門 優秀賞受賞
2020年05-06月号 家づくりナビ掲載
2019年11‐12月号 家づくりナビ掲載

写真:STUDIO DUCK 内山昭一